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一般社団法人 日本モビリティ・マネジメント会議 ■ 代表理事挨拶 |
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人間は「動物」,すなわち「動くモノ」です.そうした動物の中でもとりわけ「文明化」する方途を得た人間は,半ば宿命的に「動くこと」,つまり「移動すること」(=モビリティ)を高度化してきました.人間は,駕籠や馬車から鉄道や船舶に至るまで,文明化,近代化の進展と共に様々な交通手段を発達させてきました.その中でもとりわけ,自動車はとても大きな「便利さ」を人々にもたらすと同時に,行きたいところへ自由に移動できる喜びや,スピードによるスリルなど,それまでにない新しい満足を提供する希有な交通手段として発達してきました. しかし,近年のモータリゼーションの進展の中で,人々が「過度」に自動車に頼る「ライフスタイル」を営むようになるにしたがって,社会的なメリットのみならず,様々な社会的なデメリットが生じてきたのではないかという認識が社会的に徐々に共有されるようになってきました.例えば,過度な自動車依存型社会は,交通渋滞や大気汚染等のみならず,公共交通機関の衰退や都市のスプロール,中心市街地の空洞化,そして,地球温暖化等にも影響しているのではないか,という可能性がしばしば指摘されています. 「モビリティ・マネジメント」は,まさにこのような社会的背景のもと,人々の「ライフスタイル」に着目した交通政策として提唱されたものです.すなわち,人々の意識や"こころ"に直接的に訴えかけ,人々のモビリティのスタイルが,環境や地域社会,さらには,自分自身の健康や"心の豊かさ"に資する方向に自発的に変化することを期待する交通政策の考え方として提唱されてきました. これらの取り組みでは,交通問題を単に"交通システムの整備や制御"の問題として捉えるのではなく,それを利用する人々の意識や行動,ライフスタイルに着目し,それに訴えかけることを通じて,様々な問題の改善を図ろうとする点に大きな特徴があります.そのため,モビリティ・マネジメントでは,人と人との「コミュニケーション」が最も大切な要素として位置づけられています. そして,こうしたモビリティ・マネジメントが適切な形で,かつ広範に展開されていくためには,モビリティ・マネジメントに携わる行政や実務担当者,市民団体,そして研究者といった様々な関係者が,それぞれの現場でモビリティマネジメントの調査・研究・実践を真摯に積み重ねるとともに,その成果をもとに交流すること,すなわち,「コミュニケーション」が何よりも大切であるに違い有りません.そうした関係者間のコミュニケーションを通じて,様々な事例や情報,考え方や様々な工夫が,より望ましいかたちで共有化されていくことが期待されるからです. こうした認識から,様々な人々と組織の皆様のご支援を受けて,「日本モビリティ・マネジメント会議」が2006年から毎年開催されるようになりました.そして2009年からは,様々な個人と法人の皆様からのさらなる直接的なご支援を受け,「一般社団法人・日本モビリティ・マネジメント会議」が主催する会議として運営されていく形となりました. 日本モビリティ・マネジメント会議が,日本の交通に関わる様々な取り組みの質的向上に寄与し,それを通じて様々な地域と都市,そして国土の発展に資することを祈念し,ご挨拶とさせていただきます. |
平成22年 2月1日 |
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日本モビリティ・マネジメント会議 代表理事 ![]() |